「自分がジャニオタになることは生涯ない」
そう断言していた自分が2024年、SixTONESに出会って2ヶ月でFC入会を決意した。『ジャニオタになる』という生涯に一度の経験を忘れたくないので備忘録として残しておく。
- ジャニーズに対する感情
- 沼に沈むまでの時系列
- 田中樹という沼
- “変化していく”推しをつくることの恐怖
- ”この6人であること”の奇跡
- 固定観念の破壊
- 2024.03.10 福岡VVS参戦
- 2ヶ月前の自分へ
ジャニーズに対する感情
- 「自分みたいな陰の者があんなクラスの1軍のようなキラキラした世界に手を伸ばしてはいけない」という敬遠意識
- 「ジャニーズを好きになる自分を認めたくない」という謎のプライド
- 「彼らが出ている全てのメディアを追い続けないとファンを名乗る資格はないんだろうな」という漠然とした恐怖
これまでジャニーズという存在に対して抱いていたのは、大きくこの3つの感情だ。
顔もよくて歌もトークも上手い、選ばれし天上人のような存在の彼らを取り巻くファンの可愛い女の人たち。自分は、クラスの1軍を教室の隅っこで眺める3.7軍のような気持ちでジャニーズ界隈を見ていた。別段彼らが嫌いなわけではなく、自分が彼らの中に入ることは生涯ないだろうなという、それだけだった。
沼に沈むまでの時系列
2022.12
久々に会った10年来の友人2人がジャニオタになっていた。
1人はKing & Princeに、もう1人はSixTONESにハマっており、スト担の方の友人から「お前は絶対SixTONES好きだし田中樹に沼る」と断言された。
天邪鬼な自分はこのとき絶対ハマってやらねえ…と決心した。
2023.12
先のスト担友人と行ったカラオケで、初めてSixTONESの曲を聴いた。
6人の顔も名前も全く知らない状態で友人から解説を受けながらMV鑑賞をしたのだが、この時やたら耳に残って離れなかった曲が1つあった。
NAVIGATOR。
キャッチーな前奏に爆発力のあるサビ、ラップ、MVのスタイリッシュさ、全てが最高にカッコよくて、帰宅してすぐにyoutubeで再生した。
ちょうど原稿作業中だったので作業用BGMリストに入れて毎日のように聴いた。
2024.01
例のスト担友人と、車内でSixTONESの曲を聴きながら初詣に行った。
車内でNEW ERAにハマったことをきっかけに、初めてyoutubeのSixTONES公式ページに飛んで、いろんな曲を聴くようになった。生涯縁がないと勝手な偏見で今まで避け続けてきたジャニーズグループのページに飛ぶのはちょっと勇気が必要だった。
いざ聴いてみるとどの曲も本当によくて、ここからSixTONESというアーティストが気になりはじめた(マスカラ、telephoneが特に刺さったのを覚えている)
2024.02
毎日のようにSixTONESの曲を聴いていると、youtubeが公式のオススメ動画(ストチュ)をこれでもかと出してくるようになった。しかし「ジャニーズというアイドルではなくSixTONESというアーティストが好きなんだ」というプライドがあった自分は、頑なにストチュをスルーし続けMVだけを見ていた。
転機があったのは2月半ば。
湯河原へ原稿合宿に行くことになり、移動中2~3時間ほど持て余した。
Twitterも一通り見て特にやることもなかったので、ついにここでオススメに上がっていたストチュに手を出した。初めて見たのは確かShizuoka Travelだったと思う。
爆イケMVしか見たことのなかった自分は、あまりのギャップに衝撃を受けた。
こんなに可愛いの…?????…?………???…
ここから、ストチュの動画を全て見た。
通勤・退勤時間に加え、家にいる睡眠時間以外の全ての時間をストチュの動画を追うために使った。ジュニアチャンネルも全部、ANNも終えるところまで全部追った。
楽しそうな6人の姿を見ながら、ジャニーズに対し抱いていた固定観念が一気に崩れていくのを感じた。
田中樹という沼
ストチュを追いはじめて、改めて最推しになったのが田中樹だ。
”改めて”という表現をしたのは、SixTONESをアーティストとしてしか見ていなかった時も、6人の中で彼の声が一番好きだったから。彼の程よく掠れた声質から放たれる、体が勝手に動いてしまうようなラップは聴いていて最高に心地よくて、SixTONESの曲“らしさ”を生み出すうえで欠かすことのできないエッセンスだと思う。
声から入り、次に好きになったのはルックスだった。ルックスが好きになったと言っても、自分は「顔が好み!骨格がいい!衣装がイケてる!」という推し方ではなく、二次元作品なら間違いなく最推しになるキャラデザという、思いっきりオタクフィルターを通した見方をしていた。
ゴールドアクセじゃらじゃらでラップ担当の爆イケチャラ男属性。
SixTONESのことを知らない人が初めてPARTY PEOPLEやアンセムMVの彼を見たら抱くであろうキャラ解釈を自分もしていた。
これをストチュに180度覆された。
爆イケMVしか見てこなかった自分は最初、6人の中での彼の立ち回りを『フラフラしてすぐ興味のある方に走って行ったりすぐ嫌だといってメンバーを困らせるような問題児キャラ』だと思っていたのだが、蓋を開けてみるとMC役だったのでいきなり度肝を抜かれた。
「お前回す側なんか!?」と思いつつ2~3動画見てみると、彼の的確に突っ込みつつ相手を傷付けないような語彙力と優しさ、視野の広さに驚き、しっかり者に見えてふとした瞬間に見せる“弟”の顔に情緒をめちゃくちゃにされ、気付いたときにはもう樹から目が離せなくなっていた。
ここまでならまだ引き返せたのだが、はっきり田中樹に沼落ちしたと自覚したのがこのMBTI診断。
SixTONESのMBTI診断結果、予想を外した人が一番多いのが樹だと思ってる。
北斗は誰がどう見てもINFPだし、きょもがISTPなのも納得でしかない。末ズがENFPなのも「だよね!!!」となったし、こーちがESFJでグループ内唯一のJなのも何度も頷いた。
ただ樹だけは「ISFP!?内向71%!?」と驚愕が勝った。一見EJ型にしか見えない樹が実は超内向意識のIP型だと知って、彼の思考や言動にものすごく興味が湧いた。
この動画を見て以降、樹=ISFPという目線でストチュを見るようになって、今まで見えていなかった彼の一面にどんどん気付きはじめてからはあっという間だった。
2022.12。約1年前。
友人から「お前は絶対SixTONES好きだし田中樹に沼る」と断言された通り、笑えるほどあっさりと自分は田中樹という沼に転がり落ちて窒息死した。
恐る恐るドアを開けて中を覗き込んでたら「こっちおいでよ。楽しいから」って腕を引かれて、楽しい!楽しい!ってなってるうちに気付いたら見失ってて、どこいったんだろうって探したら深い沼の底にいて「こっちまで来たかったらきていいよ」って何考えてるかわからない顔で笑ってるような男。きっかけだけしっかり与えて後は全て委ねてくる男。
田中樹、本当にヤバい(そこが沼るんすよ)
“変化していく”推しをつくることの恐怖
少し話がそれるが、自分がジャニーズにハマりたくなかった理由の1つに「”変化していく”推しをつくりたくなかった」というものがある。
例えば、ソシャゲではない据え置きゲーム、完結済みの漫画やアニメ、映画などの場合、キャラクターはその作品内で完成されており変化することはない。プレイヤーは変化することのないキャラを自分の推したいように愛でることができる。
しかし、三次元だとそうはいかない。
ある日突然、愛する推しの見たくもないニュースを見ることになるかもしれない。炎上するかもしれない。脱退するかもしれない。グループ自体が休止・解散するかもしれない。……
こうした、常につきまとう“かもしれない”恐怖は自分にとって馴染みのないものだった。なので、日常生活をストチュに支配されて以降も「まだハマってない。まだ推しではない」と心のどこかで抗い続けていた。
(さらに、もともと推しキャラの立ち絵1枚で2~3年は持つ超アウトプット型解釈厨オタクの自分にとって、毎日のように推しの情報が更新される三次元は供給過多すぎてリアルに体調を崩す自信があった。これもハマりたくなかった理由として大きい)
”この6人であること”の奇跡
ストチュを追ってると、オススメにほくじゅりまとめ動画が流れてきて二度見した。
長らく二次元界隈で過ごしてきたオタクにとって『公式のユニット名がある』というのは割と衝撃だった。最初はC/P名だと思い込み(公式!?)と激しく動揺したが、そういえばストチュの字幕でも使われていることを思いだし、いろいろ調べてユニット名というものを知った。”コンビ名”ではなく”ユニット名”というんだな…と、ジャニーズ界隈特有の単語の意味を調べるのも楽しくなってきた。
ほくじゅりきっかけで樹関連のユニットを全て追い、それぞれのユニットで全然違う樹の一面が見れて、他のメンバーもどんどん好きになっていき、最終的に箱推しと化した。
そんな自分がストチュの中で五本の指に入るくらい好きな動画がある。
この車内カラオケ動画、一時期1日5リピはしてたくらい大好きで、今でも週3回は絶対に見ている。
もともと自分はアーティストとしての彼らを好きになったこともあり、6人の仲の良さと歌声を同時に味わえるこの動画は本当に最高で。
最初のうちはシンプルに彼らの歌声を楽しむために聞いてたのだが、動画に「人前であまり歌わなかったり自分の声が嫌いって言ってる慎太郎」「車内の雰囲気を率先して盛り上げてくれた髙地がジャニーさんに『キミはいるだけでいい』と言われた理由がわかる」といったコメントが複数あって、そういえば彼ら個人の経歴やSixTONES結成までの流れを詳しく知らないな……と気付いた。
彼らのことをもっと知りたい。
今度は、ファンの方々のツイートやブログといった文字媒体を熱心に追うようになった。本当は雑誌や出演番組を直接見られれば一番いいのだが、雑誌は種類が多くてどこの何から追えばさっぱりわからないし、出演番組も3~4年前となるとさすがに再放送はやっていない。
Twitterで気になるワードを検索すれば当時の様子がすぐにわかる今の時代は、本当に便利でありがたい。三次元の推しを追っていると特にそう思う。
やがて辿り着いたのが、10000字インタビューだった。
それぞれがジャニーズに入ったきっかけ、
それぞれが乗り越えてきた苦難、
SixTONESにかける思い、
”この6人であること”の奇跡、
まだ知らなかった彼らがそこにいた。
youtube上でもTokyo DriveとかFirst episode in Johnnysとか、彼らが昔について語っている動画は何本かあるけど、やっぱり文字で読むと理解速度が違う。
樹→北斗→慎太郎→きょも→ジェシー→髙地の順に全員分の10000字インタビューを読み、髙地の「6人で一生一緒。それがたったひとつの夢かもしれない」という言葉を噛みしめたそのタイミングで、ちょうど作業用BGMリストから光る、兆しが流れはじめた。
共に目指す未来は遥か遠くても
顔を上げて 転がり続け意思を磨いた
改めて歌詞を読んだら何だか涙が止まらなくなって、自分はもうアーティストとしてのSixTONESを超えて、彼ら6人の、アイドルとしての生き様が好きなんだと認めざるを得なかった。
2024.02.22、人生で初めてアイドルを好きになった記念日。
固定観念の破壊
先の10000字インタビュー後から、snowman、Travis Japan、WEST.などSixTONES経由(樹経由)で他グループやJrの動画も見るようになって、初めてジャニーズという世界の厳しさを知った。
「ジャニーズに入った時点でみんな成功が約束されている」
「Jrで数年経験を積めば順番にデビューできる」
1ヶ月前までの自分は、本気でこう思っていた。
だから正直、SixTONESの動画の一部がジュニアCHANNELとして投稿されている理由もよくわかっていなかったし、youtubeプロモ動画で彼らが大騒ぎしていた理由も初見時はちゃんと理解できていなかった。
ジャニーズという世界に十歩ほど足を踏み入れて初めて、いかに自分がジャニーズの輝かしい側面しか知らなかったのかを、その裏側でどれだけの子が苦悩して挫折して去っていったのかを知ることになった。
デビューが決して当たり前じゃないからこそ、大好きな推しに表舞台に立ってほしくて、一秒でも立ち続けてほしくて、ファンは全力で彼らの“今”を応援してるんだと。
SixTONESを好きになって、ジャニオタがジャニーズという存在にかける熱意を、自分は多少理解できた気がする。だって、あれほど「“変化していく”推しをつくることが怖い」と思っていたのに、今この瞬間のSixTONESを全力で応援したいと思っている。
2024.03.10 福岡VVS参戦
2024.03.01
例のスト担友人から「制作開放席の抽選案内がきたから3月9日か10日の福岡同行する?」と連絡がきた。”制作開放席”の意味もわからないまま、本物の彼らに会えるかもしれないという震えとともに「どっちも空いてる」と返事をした。「宝くじだと思って申し込むけど期待はしないでね」と返事があった。
待っている間、ここでもし当選して本物の彼らに会ってしまったら自分はもう引き返せなくなるんだろうなという恐怖と期待の織り交じった不思議な気持ちだった。それと同時に、どこからか「SixTONESを推し続ける覚悟を決めろ」と言われ続けている感覚と、きっと当選するという謎の確信があった。
2024.03.08
当選の連絡があった。
2日後に本物の彼らと会える事実を実感すると手の震えが止まらなくなった。
急いで新幹線を確保して、youtubeでセトリの確認をして、友人にグッズ購入をお願いして、ライブといえばヘドバン&モッシュの世界で育ったのでジャニーズ界隈のマナーを調べた。SixTONESを好きになって1ヶ月でライブに行けるという奇跡を噛みしめながら入念に準備をした。
2024.03.10
ライブから20日が経過した今でも昨日のことのように鮮明に思い出せる、そんな時間だった。当日のことはまた覚えているうちに別記事で残したい。
teamSixTONESのつくり出す全てが最高だった。
帰りの新幹線の中、余韻を噛みしめながらFC入会を決意した。
2ヶ月前の自分へ
「お前は今NAVIGATORしか聴いてないだろうけど、3月にはライブ参戦してFC入会してこれまでのライブDVD全部買うぞ」と言っても絶対信じないと思う。
それほどまでに怒濤の2ヶ月間だった。
これまで邦ロック一筋で色んなバンドを好きになってきた。
推しバンドが多すぎて絞りきれなくて、どのFCにも入ってこなかった。
そんなお前は、人生初のFC入会をジャニーズに捧げることになる。
生涯、絶対にならないと思っていたジャニオタになる。
変わっていく推しをつくるのが怖いと思っていたけど、どんな時も「6人でだよな」と言い続けてくれる彼らへの信頼が、彼らを推していくエネルギーに変わる。
もし今後変わっていったとしても、それで彼らが幸せならどんな変化だって受け入れられると思えるようになる。
ダサい食わず嫌いを、
凝り固まった固定観念を、
SixTONESはぶち壊してくれた。
今はストチュ史上最長の最高動画を見ながら
Team SixTONESとして2024.05.01を迎えられる喜びを嚙みしめてる。
初めて好きになったジャニーズグループがSixTONESで本当によかった。